フエの歴史

歴史
現在のフエは古代と近代の歴史の色彩が共存しています。歴史は都市の景観にその記憶を残していて、その一つ一つがベトナムの政治、アイデンティティ、国際関係についての深い疑問や思考を導きます。
この地域はキリスト教が到来する前の1300年代にチャンパの王がベトナム人に支配権を譲るまでは1700年もの間チャンパ王国が支配し、その後ベトナム王朝の一部となりました。フエは、19世紀のグエン王朝の首都で、この都市にある最も美しい建物である王宮もこの時期に建てられました。また、この地域は1883年以降フランスの保護区とされました。
1945年になると、フエは、最後のグエン王が共産主義者と軍に政権を引き継いだ8月革命の中心地になりました。第2次世界大戦後に国が南北に分割されてからは、南ベトナムの領土となり、ベトナム戦争では戦略的重要性から戦いの中心地になりました。(その形跡は、爆撃による深い傷跡として、今日も歴史的な建造物や寺院に残っています。)
テト攻勢では、米軍と南ベトナム軍が北ベトナム軍と激しい戦闘を行いました。ベトナムの新年の前夜に北ベトナム軍がフエを攻撃し、何千もの住民が犠牲になりました。ベトナムの正月にフエを訪れることがあれば、多くの家庭で1968年のテトに亡くなった家族を追悼している姿を見ることができます。